さあコンクリート打設です!とその前に何やらホースで水をまいてます!?(理由は後述します)
その後、徐々にコンクリートが流し込まれます。液状でも『さらさら』ではなく『ドロドロ』なので、固まる前に、隅々に行き渡るように振動を加える作業を同時に行います。
・・・翌日、もう白くなってます。表面が乾いてきてますね。よしよし。
なのに!ああっ!誰だホースそこの置いたのは!しかも水が出っ放しじゃないか!!せっかく乾いてきたのに!!!
コンクリートの打設に『水』という要素は不可欠です。そしてその役割によってタイミングや分量がとても重要です。ちなみにコンクリートは水、セメント、砂、砂利、混和材(いろいろ種類があります)が絶妙なバランス(比率)で混ぜ合わされています。
打設前の散水ありましたね、これがなぜ必要か?答えは①くっつきやすく、②外れやすく、③水分量を変えないため。
新しく流し込むコンクリートは『ドロドロ』なので当然、水分を含んでいます。そして大事なのはその水分等がバランスよく含まれているということ。
『打ち継ぎ』という作業をするとき、例えば今回のように基礎のコンクリート(すでに固まった状態)に1階部分のコンクリートを上から『継ぎ』ます。その時、基礎のコンクリートが乾燥していたら、新たに打設したコンクリートの水分を吸ってしまい、新たなコンクリートの水分が減ってしまいます。また、基礎のコンクリートが水分を含むことで新旧コンクリートの接着力が増します。
ちなみに『継ぎ』目の部分は目が粗い方が良いので、鏝(こて)仕上げはしません。ステッカーを張るのとは異なり、ツルツルだとくっつきにくいからです。(ザラザラの壁とツヤツヤの鏡に粘土をくっつけるようなイメージです・・わかりにくいかな)
もうひとつ、コンクリートが固まるまで外すことの出来ない型枠と呼ばれる板の枠は、表面がツルツルです。乾燥して外す時にキレイに外れるようにそうなっているのですが、板がコンクリートの水分を吸わない様に散水し、先に十分水分を含ませることも大事です。
季節や天候によって気温、湿度の違いがあり、乾燥の時間も変わります。それに合わせて比率も調整しなければなりません。コンクリートに十分な強度を持たせるために最も気を使う部分でもあります。
一日置いてホースで水浸しにしたのも、コンクリート表面にクラック(ひびわれ)が出来ないようにするためだったりします。当日ではなく一日経って、少し乾いたところでそれをやるのも、水分量と乾燥と時間と気候など、すべて考慮したタイミングということなのですね。